ボルダリング初心者に筋トレは必要?

2021年のオリンピックをきっかけにスポーツクライミングやボルダリングを知った人は多いのではないでしょうか。
興味はあるけれど、オリンピック選手のような筋肉が必要なんだと思った人は少なくないと思います。
ボルダリングをするには鬼のような筋トレは必要?
筋力がないとできないスポーツなのでしょうか?
ボルダリングに必要な筋力は?

ボルダリングに必要な筋力は「はしごが登れる程度」と言われています。
え?嘘でしょ?
って思うかもしれません。
例えば、公園にあるうんていを腕だけで進むとめちゃくちゃしんどいですが、ジャングルジムで手も足も使って登るのはそんなにしんどくないはずです。
ジャングルジムに登るのに近い感覚です。
なぜ初心者は筋トレが必要だと思うの?

サッカーが上手くなりたい人はドリブル練習やシュートの練習をしますし、野球が上手くなりたい人は素振りをしたりキャッチボールをしますよね。
でも、ボルダリングを体験するとみんな口を揃えて「筋トレしてまた来ます。」と言います。
それは、短時間で筋肉が悲鳴を上げてパンプアップ(筋肉が膨張してパンパンに腫れること)して、短時間で筋肉が疲労してしまうからです。
もっと長い時間耐えられるように筋トレして来よう!と思うんですね。
さらに、今までに味わったことのない筋肉痛に襲われるので体を鍛えないとできないスポーツだと思われがちです。
とはいえ、ボルダリング初心者が筋トレをするメリットはあります。
ボルダリング初心者が筋トレをするメリット

基礎的な筋力が少ない人にとってはメリットかもしれません。
ボルダリングは自分の体重を腕や足で支えるので、何もしないよりかはしたほうが上達スピードが上がります。
上手くなりたい!という方には、ボルダリングと並行して筋トレを行うメリットはあります。
初心者が筋トレをするデメリット

ボルダリングは自分の体重を腕や足で支えたり登ったりするスポーツなので、体重が重くなればなるほど疲れやすくなります。
なので、必要以上の筋肉があると逆にキツくなるスポーツです。
華奢な人が身体を上手く使って登っているのに対して、全身筋肉のように鍛えている人がスタートで苦しんでいるシーンは良く見かけるシチュエーションです。
基本的な基礎筋力がある方が筋トレをすることで無駄な体重増加を招いてしまうおそれがあります。
同じ身長なら、体重が重いよりも軽い方が体の負担が少ないので体重増加は
デメリットです。
ボルダリング初心者に必要なのは筋トレよりも登ること

ボルダリングは全身運動なのに対して、筋トレで鍛えられる筋肉はアプローチした部位に主に効きます。
また、ボルダリングはホールドという突起物を掴んだりつまんだりするので、腕の力以外に指の力も必要になります。
ボルダリングに必要な筋肉は、ボルダリングで鍛えることができるので、ジムでマシーンを使って負荷をかけて鍛えるよりも登りに行く方が最短の筋トレになりますよ。
同じ2時間トレーニングするなら、ボルダリングをする方がオススメです。
ジムで登っている人を見るとマッチョな筋肉体型の人はほとんどいません。
服装から感じるのは細身から中肉中背の体型の方達ばかりです。
女性もスリムな方達が多く、こんな細腕で登れるのか信じられませんが男性顔負けの課題をガンガン登っていらっしゃいます。
初心者のうちはトレーニングを気にせず登ることを意識した方が良いです。
ボルダリングはどの位のペースで登ったらいい?

どのくらいのペースで登ったら上達するかですが、月1回よりも週1回、週1回よりも週2回登った方が良いです。
とはいえ、初心者のうちは筋肉痛に悩まされるので、筋肉痛がおさまる頃合いの1週間に一回のペースで登るのがおすすめです。
筋肉の回復スピードから見てみると、腹筋は約24時間で回復するのに対して、背中の筋肉は約72時間かけて回復します。
回復した後は超回復といってトレーニング前よりも強くなります。
ボルダリングをすることに慣れてきたら、3日に1回のペースで登るとメキメキ筋肉が育ち、上達しますよ。
ボルダリング初心者にオススメの筋トレ3種

週1じゃ物足りなくなった人はボルダリングにハマってしまった人ですね。
ボルダリングでは登ることが筋トレになるのですが、どうしてもジムに行く時間が取れなかったり、ジムに行けない日はムズムズしてしまうことがあります。
そんな、ボルダリングが早く上手くなりたい初心者にオススメのトレーニングです。
ジムに行けない日に試してください。
体幹を鍛えるトレーニング

オススメ度★★★★★
どんなスポーツでも、共通して鍛えた方が運動パフォーマンスが高まるのは体幹です。
ボルダリングをすることで鍛えられる部分ですが、体幹トレーニングをすることで傾斜のある壁やルーフ壁を登る時に安定して登れるようになります。
筋肉はボルダリングをすると勝手に付きますが、体幹トレーニングはやっていて損はないです。
特に腕の筋力の弱い方や女性は体幹を鍛えるだけで傾斜のある初心者向きの課題が登りやすくなります。
テレビを見ながらプランクで耐えるとか、ながら運動で良いので試してみてください。
マウンテンクライマーが30秒できるようになった頃には、全身が程よく鍛えられて初心者脱出レベルになっているでしょう!
バランス感覚を高めるトレーニング

オススメ度★★★★☆
身近にいる人を見ていると、バランス感覚に優れた人はボルダリングの上達が速いです。
もしかしたら筋力よりも大切かもしれません。
ペットボトルのキャップほどの小さなホールドに乗り込んだり、体の向きを変えながら上に、左に、右にと進むにはバランス感覚がないと動けません。
バランスボールに乗るトレーニングが一般的ですが、通勤・通学の電車の中やちょっとした時間を使った爪先立ちの練習がオススメです。
①爪先立ちをして踵をくっつけます。
②爪先立ちのまま内腿を締め上げるように力を入れます。
③さらに内腿に力を入れたまま踵を上に引き上げます。
小さなホールドに乗り込むのが上手くなります。
体を引き上げるトレーニング

オススメ度★★☆☆☆
ボルダリングは上に登っていくスポーツです。ホールドにしがみついて立ち上がったりするときに必要な背中の筋肉は鍛えておくと後々楽です。
初心者のうちは腕の力だけで登ってすぐに疲れてしまいますが、背中の筋肉を意識して登ると疲れ方が緩やかになります。
懸垂ができる筋力があると傾斜がある壁やルーフと言われる天井登りのような課題が登りやすくなります。
初心者用の課題でしたら、公園に行って鉄棒で懸垂1回できたら充分です。
懸垂は無理だったという人には、低い鉄棒で斜め懸垂10回を目標に特訓してみてください。
ボルダリング初心者が半年続けた結果

私は、初めてボルダリングを体験して強烈な筋肉痛に襲われました。
こんなに辛い筋肉痛って初めてかも・・・と思ったほどです。
初めてスノーボードに行って、リフトの上から下まで1時間かけて下った時よりも酷かったです。
でも、登れたことの達成感は今まで味わったことのない快感でした。
初めの1ヶ月は週一回で通っていましたが、2ヶ月を過ぎたときに月会員になり、週2ペースを維持しています。
上手くなりたいから筋トレをしてみようと思った時期もありましたが、やってみて感じたのは「登る方がトレーニングになるし楽しい!」でした。
私の場合、筋トレは三日坊主になったので特別なトレーニングはしていません。
それでも半年経ったらやさしめの4級課題に登れるようになりました。
そして、半年経って嬉しい肉体の変化がありました。
たるんだ二の腕が引き締まったり、脇のはみ肉がごっそり減ったりと女性だったら絶対嬉しいはずの体型変化がありました。
楽しく続けて勝手に痩せるなんて、「痩せる〇〇!」みたいな広告のようですが本当の話です。
まとめ

私が今まで体験したスポーツの中でボルダリングが1番ハードでした。
初めてボルダリングを体験すると、思ったように動けなかったりペットボトルの蓋すら開けられなくなってショックを受けますよね。
ジム帰りの車の運転はかなりキツかったです。
ボルダリングは、腕の筋力で登ると思われがちですが、身体を伸ばしたりひねったり足を広げたりと色んな動きをします。
そのおかげで、体の柔軟性が高まったり肩こりが軽減されたり、腰の浮輪肉が減ったりという嬉しい効果があります。
実際、長く続けている方の体型はスリムな方が多いです。
初心者のうちはボルダリングしているだけで変化が出てくるので、筋トレ代わりにジムに行きましょう!
超ハードな自重トレーニングで勝手に筋肉が育ってくれて勝手に脂肪も燃焼してくれますよ。